全日警

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大阪のオフィス兼複合大型施設でAI画像解析ソフトウェア「SCYLLA」の実証試験を行いました。

Scylla

株式会社全日警(以下、全日警)は、大阪のオフィス兼複合型大型施設でAI画像解析ソフトウェア「SCYLLA(スカイラ)」の実証試験を実施いたしました。今回実証試験を行った建物は、広大な敷地とウォーターフロントというロケーションを活かした大規模複合開発プロジェクトの中心となる高層ビルであり、不特定多数の人々が出入りするなか、常に安心して施設を利用できる環境づくりと警備体制の強化を目指している建物です。全日警はAI画像解析ソフトウェアを導入・使用することにより、今まで見逃されていた異常を発見しより良いサービスを提供すると共に警備員の省人力化を目指します。

 
試験の概要

目的:警備警戒に必要な情報取得にAI画像解析ソフトウェア「SCYLLA(スカイラ)」が寄与すること
期間:2024年1月23日(火)から2月22日(金)
検証検知機能:①侵入検知 ②煙・炎検知  ③暴力検知 ④倒れ検知 ⑤遺失物スマートサーチ ⑥人流分析
システム面の検証:VMS(ビデオマネジメントシステム)の連携

 
Scylla

検知距離最大47m 14日間 誤報ゼロ。

 
結果

①侵入検知
検知エリアに人が侵入していないのに、検知したという誤報事象は0件でした。 検知エリアでは人の頭部・腕・肩・下半身など体の一部分がエリアに入るだけでの検知する事が証明され、また30mほど先の人を検知することも確認しました。公園や広場、太陽光パネル発電施設などの広範囲エリアを少ないカメラ数で網羅する事が可能だと確信しました。

②煙・炎検知
実際の火災等が発生していないため、検知評価は出来ませんでした。カメラ稼働中の誤検知もありませんでした。

③暴力検知
暴力事案の発生は0件。距離については、カメラから約47m先の暴力・喧嘩の行為を検知できる結果となり、誤報についても0件でした。 (47m先で検知した暴力検知はデモンストレーションで行ったものになります。)

④倒れ検知
対処が必要な転倒事案は0件、検知件数1件、誤報0件でした。 検知件数1件については、幼児がエントランスで倒れた事象であり、対処が必要な転倒事案ではないと判断したため誤報は0件となりました。距離についてはカメラから約26m先の倒れも検知できる結果となりました。

⑤遺失物スマートサーチ
遺失物スマートサーチとは、変化があったエリア(落とし物がある場所)を選択し、いつからその物が放置(設置)したのかを迅速に調べることが可能な差分検知のシステムです。遺失者を特定するまで約1分程度でした。不審物かどうかの判定や返却時に本人確認を容易にすることで対応時間の削減が可能となりました。

⑥ 人流分析
従来の警備業務ではあまり関係がない様に思われがちな機能ですが、特定箇所の通過人数をカウントする事ができます。出入口にカウントエリアを設定すれば警備員が部屋の中を確認しなくとも部屋内にあと何人残っているかがわかるため、確認作業が容易になります。また人の滞在もカウントすることが出来るため、過度な密集などを素早く察知が可能となることを確認しました。

 

VMS(ビデオマネジメントシステム)の連携
VMSとカメラ、AI画像解析ソフトウェアを連携させることで、AIが発見した異常をトリガーとして、カメラや様々な機器の連携が可能になります。また、警備員が誤報なのか本当の警報なのかを判断し、画面上をクリックするだけで、事象に合った異なる機器の連携ができることを確認し、AIの誤報に振り回されないオペレーションを構築する事が出来ました。
 

今後の展開

検知内容を精査し、適切な検知範囲の設定、閾値の設定を行う事で、画像解析システムの誤報に振り回されることなく、約1か月警備警戒に必要な情報だけを取得(検知)する事が出来ました。警備警戒の情報を素早く取得し、対応するまでの時間を短縮することで建物の安全性向上に十分寄与できると我々は確信し、今後も警備の高度化・省人力化を推し進めるために画像解析ソフトウェアや様々なソリューションを活用していきたいと考えております。

 
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