全日警

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Scyllaが物体検出の世界的なベンチマークにおいて第2位にランクイン

当社が連携するAI映像解析技術の一つである ScyllaNet(Scylla Technologies)が、世界的な物体検出ベンチマーク COCO test-dev(CodaLab #7384)においてmAP@[.50:.95]=66.12%を記録し、第2位にランクインしました。
この結果により、Scyllaの画像解析技術は世界標準のベンチマークにおいて最高水準の精度とコストパフォーマンスを両立していることが確認されました。 大規模モデルに匹敵する精度を約4,000万パラメータ(1/25以下)の軽量構造で実現し、推論速度も最大約200倍を達成しています。これにより、リアルタイム映像解析やエッジAI環境など、現場に近い領域での高速かつ高精度なAI処理が可能になります。当社では、Scyllaの先進的なAI解析技術を活用し、リアルタイム映像解析分野における高品質なサービス提供を今後さらに推進してまいります。

 
Scylla
■ScyllaNetの特徴

(出典:Zhora Gevorgyan, “Rethinking Object Detection Efficiency: How ScyllaNet Rivals Billion-Parameter Models,” LinkedIn Pulse, 2025年10月6日)

ScyllaNet は「巨大モデルに頼らず効率的なアーキテクチャで高精度を実現する」ことを目的に開発されました。
主な特徴は以下の通りです。

■効率的な特徴統合(Adaptive Feature Aggregation):
 過度に深いバックボーン構造を用いず、マルチスケール注意モジュール(異なるスケールの特徴に動的な重み付けを行う軽量構造)を採用。これにより、少ないパラメータでも表現力の高い表現力を実現。

■受容野の拡張(Efficient Receptive Field Expansion):
 空間的注意機構を導入し、画像内の局所情報と全体の文脈をバランスよく捉える構造を採用。これにより、小さな物体から大きな物体(広範囲の対象)まで安定した検出を可能に。

■スケール認識ロバスト性(Scale-aware Robustness):
 小型・中型物体など、従来の高容量モデルが見落としがちな対象も安定して検出。

■GT配慮型データ拡張(Ground Truth Aware Augmentation):
 学習時のクロップやリサイズにおいて、正解ボックス(Ground Truth)の整合性を維持し、ラベルノイズや誤学習を防止。

■SIoU-v2 損失関数の採用:
 予測ボックスと正解ボックスの距離と形状の両方を考慮する改良型損失関数を用い、小さい物体や混雑環境(密集した環境)での位置精度を向上。

 
COCO test-dev(CodaLab #7384)とは

COCO(Common Objects in Context) は、Microsoft Research(米マイクロソフト研究所)が中心となって2014年に公開した、世界で最も広く利用される画像認識用データセットの一つです。
人、車、犬、椅子など80クラスに分類された約33万枚の画像を収録しており、AIによる物体検出・セグメンテーション・キーポイント検出などの精度比較に使用されています。
その中でもCOCO test-devは、開発者や研究機関が自らのモデルを登録し、CodaLab(公式評価サーバー)でスコアを自動算出する評価環境です。このベンチマークには、企業・大学・研究機関など世界中の開発チームが参加しており、最新のAI技術が同一条件で比較・評価されています。
また、Google Research、Meta AI、Microsoft Research などの研究機関が、COCO データセットを物体検出の評価基準として採用しており、COCO test-devは物体検出分野における事実上の国際標準指標と位置づけられています。

📘 出典:
COCO公式サイト(Microsoft Research) https://cocodataset.org/
CodaLab COCO Leaderboard: https://codalab.lisn.upsaclay.fr/competitions/7384#results
"Google Research, EfficientDet: Scalable and Efficient Object Detection, 2020"
"Meta AI, A MultiPath Network for Object Detection, 2016"
"Zhora Gevorgyan (Scylla Technologies), LinkedIn Pulse, 2025年10月6日"

 
行動解析・画像解析「SCYLLA」スカイラについて

企業が必要とする「危険物検知・侵入検知・万引き・人物検索・人流分析」などの検知を行う画像解析ソフトウェアです。安全管理の為のAI画像解析を行いながら、顧客分析で使用できるデータを取得・活用する事で、未然の事故防止や安全管理だけではなく、顧客満足度(CS)の向上を行う事も可能です。 初めてAI行動解析・画像解析を導入を検討している企業様や、既に複数のAI行動解析・画像解析ソフトウェアを導入している企業様にマッチするソリューションです。

<関連リンク(Scylla特設サイトへ移動します。)>
https://solution/scylla

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